私は夜神総一郎。(元)警察局長だ。
今は稀代の大量殺人鬼、キラを追ってある捜査本部に属している。
その捜査本部の場所は詳しくは言えないが、
ただひとつ確かな事は日本にあるという事だ。
それは間違いない。あぁ間違いない。
だからそこに寝泊りしている私は、朝目覚めたらそのビルにいる筈なのだ。
決してヤシの木の下で波のせぜらぎを聞きながら爽やかに起きる事はありえない。
そして今眼前に広がる光景は…
まるで南の島


南国パラダイス〜サバイバルラ・トラビアタ


総一郎「なんじゃこりゃあぁぁぁ!!?」
松田「ぐぅ…局長…?朝から何をツッコんで…なんじゃこりゃあぁぁぁあぁ!!?

青い海、白い砂浜、流れる入道雲…どっからどうみても本部ではない。
というよりジャパンではない
総一郎は周りを確認した。
自分も松田もパジャマ姿だ。
そのパジャマは昨日確かに寝る前に着ていた物。
自分達は確かに昨晩まで捜査ビルにいた。
模木は弥と一緒に泊まりの仕事だったはず。
…では、Lは?息子は?
彼らもビルにいた。
2人の片方だけでもここにいたら、この状況を打破する策を考えられる。
アイバーやウエディも一昨日から日本に来ていた。
誰でもいい。
もし、松田しかいないなら、絶望的だ

総一郎「松田、私達の他に誰かいるか?」
松田「はいっ!?えっ…えっと、あ!あそこに見えるバスローブはアイバーですね!」
ウエディ「Mm...What's!? What's happened!?OH,NO!!Where am I !?」
総一郎「おぉ…ウエディもいたみたいだな…」
松田「局長〜!こっちに竜崎と月くんいました〜!!まだ寝てます!!」
総一郎「本部の者全員がここに来てしまったようだな…一体何が…」

…まさか、キラの死の前兆か?
…とりあえず、Lの意見を伺って…話はそれからだ。
松田が言っていた方向へ総一郎も向かった。

そして…そこで目にしたのは…


上半身で抱き合っている上司と息子の姿だった。


総一郎「ぐあああああああぁぁぁぁぁ!!」
松田「どうしました局長!?虫にでも刺されましたか!?
総一郎「お前の発想パターンがわからんぞ松田!!
松田「じゃあ早速2人を起こしましょうか〜」
総一郎「ま…待て…心の準備がまだ出来ていない…」
松田「? 心の準備が必要なんですか?あ、月くんって寝起き不機嫌とか?」

総一郎は思った。
この状況で何も考えない(わからない)松田はある意味凄いと。
あえて自分が危惧する事を暗示する言葉を口にしてみた。

総一郎「松田…何で2人は裸だと思う…?」
松田「え?昨日暑かったからじゃないッスか?」
総一郎「そ、そうか…私にはクーラーガンガン効いてて寒い位だったが、
 若者からすれば暑かったんだな!そうか、そうに違いない…!」
松田「僕の部屋だけエアコン壊れてるんですよ〜
総一郎「………(人がせっかくプラス思考だったのに) それは気の毒だ…竜崎に言ったのか?」
松田「大丈夫!扇子貰いましたから!!」

こいつに必要なのは扇子よりセンスだ。

松田「それより僕、気になる事があるんですよ〜…」
総一郎「? 何だ松田」
松田「ここ、虫が多いみたいなんです」
総一郎「ここに順応する気か!?ずっとここで生きる気か!?」
松田「ち、違いますよ!!でも帰るまでの間刺されたら嫌だなぁって…」
総一郎「そういう事か…しかし、虫なんていたのか?私にはわからんが…」
松田「いえ、月くんが刺されてたんで、いるのかな〜と」
総一郎「ライトが?」
松田「ほら、首元とか色々赤くなって…

総一郎「ぐああああぁぁぁぁぁあぁ!!」

松田「うわぁ!?どうしましたか局長!!?あ、虫ダメですか?


どこへ行こうとも総一郎の苦難は続く…。






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