名前論




ワタリに命じた夜神家の監視カメラ。
とうとう全てくまなく装着させ終えた。

L「では夜神さんのご家庭の監視を始めます。監視対象は妻、幸子。
 長男、つき。長女、しょうゆう
総一郎「すまん竜崎…それは『ライト』『さゆ』と読むんだ」
L「は!? あ…すみません、資料に振り仮名が無かったので…え?ラ…ライト…?」
総一郎「あぁ、月と書いて『ライト』だ」
L「はぁ…良い名前だと思いますが…何でまたよりによってその漢字を?」
総一郎「読めないようにするためだ」
L「わざわざ読めなくしたんですか!?」

総一郎「聞いてくれ…それには深い理由がある…」
L「(別にどうでもいいが)わかりました…話して下さい」
総一郎「私は警察局長だ。世界のLに言うのもアレだが今まで様々な事件を見てきた」
L「そうでしょうね」
総一郎「妻の幸子は昔とても美しかった」
L「は?」
総一郎「彼女は7歳年下だが、初めて出会った時からその美しさは私を虜にして、性格も…」
L「あのー様々な事件はどこ行ったんですか?」
総一郎「えぇい!これから話すんだ。まぁそんな風に彼女は非常に魅力的という事はわかったか?」
L「はぁ…それで?」
総一郎「そんな幸子からライトが生まれた時は本当に天使のように可愛くてなぁ…」
L「本当に自分の子か疑ったと」
総一郎「誰が疑うか!!言っておくが私も昔は結構イケメンでモテたんだ!!
 それで、私はライトを見て非常に心配になった」
L「本当に私の子かと」
総一郎「だからそっちの心配じゃない!!あまりに息子が可愛すぎて
 誰かが攫って行ってしまうのでは…と心配になったんだ。そこで私は対策を考えた」
L「攫われないよう注意していればいいでしょう。それが親の義務ってもんじゃないですか?」
総一郎「竜崎はまだ私達の子供達の姿を見ていないからそんな事が言えるんだ。
 その程度では足りない位ライトも粧裕も愛らしい」
L「(親バカだな)では何を考えついたのですか?」
総一郎「その時はまだ粧裕が生まれる事は考えていなかった。
 ただ、息子も男なのだから、大きくなったら自分の身は自分で守れるだろう…と思った」
L「問題は大きくなる前に攫われる可能性ですか」
総一郎「その頃、丁度ライトが入園する予定の幼稚園で事件があってな。
 その幼稚園は名札強制だったんだが、その名前を見て変質者が
 『○○くん、君のお母さんが呼んでるよ』と言って一人の園児を誘拐したんだ」
L「名前を知られていると子供も知人親戚かと思いますからね」

総一郎「なので、自分の子供には読みにくい名前をつけようと思った」
L「極端ですね」

総一郎「その後、何人もの男がライトに『つきくん』と話しかけているのを目撃した
L「変質者もその名前じゃ話しかけるのにちょっと勇気が必要でしたでしょうね…というか
 目撃したって事は結局夜神さん何かあってもその時助けられたんじゃないですか」
総一郎「いや…私が見なかっただけでも全盛期は1日5人寄ってきたらしい」
L「若くしてどれだけ色気を醸し出してるんですか息子さん!?
 今のでキラの確率が上がりましたよ…犯罪を憎む動機もありますし」
総一郎「ま…待て竜崎!そんな事で簡単に疑うな!!」
L「疑うのが仕事ですから…大体、それで幼稚園は何とかなったでしょうが
 小学校の時はどうするんです?苛めの対象になるとか色々考えなかったんですか?」
総一郎「…そういえばそうだな…ライトは今こうして無事にしているが…もしかしたら…」
L「変わった名前ですし…子供なら、からかいますよ…」
総一郎「大人の目線でしか物を考えられなかった…だが、
 私はこの名前をつけて良かったと今思っている」
L「?」
総一郎「もし…キラに正体がバレて家族皆殺しにしてやるとなった時
 漢字を見ても名前がわかるまい

L「名前を聞いてもその漢字はまず出ませんね…」


デスノートに書かれる場合文字がわかっていれば
読み方なんてどうでもいいのだが2人はその事をまだ知らない


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