地獄の子守唄
深夜12時 捜査本部 月とLの寝室にて

月「ん…っ…うわぁぁぁ!!
L「どうしました?また怖い夢でも見ましたか?」
月「あぁ…窓にびっしり虫が張り付いてビルを倒す夢を見た…」
L「この前は任天堂オールスター大乱闘スマッシュブラザーズで他キャラからボコ殴りにされる夢でしたっけ?」
月「そうそう64時代のね…酷いんだよ皆、僕ばっかりハメて…
 しかも一番コンボを決めてたのは竜崎お前だ
L「そんな事言われても知りませんよ、勝手に月くんが夢に出したんじゃないですか」

月「はぁ…最近全然寝れないな…」
L「月くんは寝付くのも遅いですしね」

睡眠を取らなければ体力回復が図れないし、美貌と健全な思考力のためにも寝なければならない。
月は寝汗を拭いて、再びベッドに頭をつけた。
それでも眠れないものは眠れない。
するとしばらくしてLが身を起こした。

月「竜崎…?」
L「……眠れませんか?なら、私がよく眠れる方法を伝授します

この時夜神月は思った。

目に隈だらけの男の言う事なんか信用ならない

しかし根っから良い子体質の月は一応聞いておくのが礼儀だと判断した。

月「へぇ…どんな方法?」
L「それは…………子守唄です」
月「あぁ…まぁ確かにそんな方法もあるけど…誰が歌うの?」
L「月くんがお望みならマドンナでもマイケル・ジャクソンでもマリオン・レイヴンでも呼びますよ」
月「いや、いいよ…そんな豪華な面々…そして何故かマの付く人ばっかりなんだね…」
L「では……私が歌ってあげましょうか?」
月「え?」

ちょっと興味が沸いた。
一緒にカラオケに行った事も無いし、竜崎の歌う姿が想像もつかない。
子守唄で寝るなんて子供みたいだけど、少し甘えさせて貰おうかな…。

月「うん…じゃあ歌って」
L「日本の童謡は知らないのでマザーグースで良いですか?」
月「いいよ」

そしてLは歌いだした。

♪お母さんが私を殺して お父さんが私を食べている……

月「…って ちょっと待て――!! 何だその歌!? 本当にマザーグースか!?
L「本当にマザーグースですよ。これから兄弟が骨を拾って…」
月「嫌だぁぁぁ!!聞きたくない!! 他の曲にしてくれ!!」
L「この曲では寝付けませんか?」
月「万が一寝付いたとしても碌な夢を見れそうにない」
L「仕方ないですね…それでは……」

♪メリーさんのひつじ 雪のように白かった メリーさんの行く所 必ず付いていった

月(あぁ…これなら知ってる、大丈夫そうだな…)

♪メリーさんのひつじ お父さんが撃ち殺しちゃった 今ではパンの間に挟まって メリーさんと一緒に学校へ

月「……って替え歌にするなっ!!」
L「本来の歌詞だけでは短すぎて寝付く暇もありません」
月「全く…どうしてそんな変な歌ばかり知ってるんだ?」
L「普通の歌は歌って貰った事が無いので」

あ。
そうか。
竜崎はきっと子守唄を歌ってくれる人がいなかったんだ。
だから本とかで得た変わった歌しか知らないんだ。

何だかそれが 無性に悲しくて 無性に寂しくて

L「…月くん?子守唄は止めて昔話にしましょうか」
月「えっ…あ、うん」

その話だって竜崎に聞かせた人はいないんだろう。
今竜崎はどんな気持ちで僕に話して聞かせているの?
僕は竜崎の服の袖を軽く握っていた。

L「それではこれは2000年に私がマサチューセッツで引き受けた事件ですが…
月「………ってお前の昔話かよ!!

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L「月くん…そろそろ寝ましょうか」
月「えぇ!?嫌だ!それでマッカーシーはその後どうなったんだ?」
L「翌朝死体で発見されましたよ…あの、もう4時なんですけど…」
月「真犯人に先に始末された…って事か…それで死体はどこにあった?」
L「ゴミ捨て場に放置されていました。第一発見者は……くそっ、何でこんな話をしてしまったんだ…」
月「第一発見者は誰?何を言った?
L「はいはい……第一発見者のミセス・ホイットニーは………」

Lも寝れなくなったとさ

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