なんということだ…。
僕は竜崎の姿に、竜崎はミサの姿に、ミサは僕の姿になってしまった…。
たしかに竜崎に近づきたいとは思ったが本人になってどうする!
どうすれば元に戻るのだろう…?

『僕がお前で お前が彼女で 彼女が僕で(2)』


「しかし、このままではどうにもなりません。
とりあえず、ここに予備の手錠があるので私と月くんを繋いでおきましょう」
第一に考えることが僕の監視かよ…。
僕は両手に手錠をつけられた。

「…ってなんでミサまで手錠嵌めなきゃなんないのよ!!」
「私がミサさんになっている以上、
私がミサさんと入れ替わったのは認めざるを得ません。
しかし、月くんの中身が本当にミサさんであるかどうか確信は持てない。
月くんなら、私とミサさんが入れ替わったことに便乗して自分も入れ替わったことにし、
ミサさんと示し合わせて監視の目を逸らそうとするかもしれません」
ふ〜んだ!!そうやって、何が何でもライトとくっついていたいんでしょ!! 変態!!あっかんべーだ!!
「…竜崎、いくらなんでも僕はこんなこと出来ない
私もそう思います。…が、月くんが私の体に入っている方が由々しき事態です。
世界を動かせるLの実体がキラでは困ります。月くんの監視も外せないので
必然的に3人で手錠ということになります。月くんは動きづらいでしょうが我慢してください」

だから僕はキラじゃない!しかし状況が状況だ
仕方ない…。早く元に戻ろう…。

「ショック…ライトが竜崎さんになっちゃったなんて…
これじゃ、竜崎さんに抱きついてるみたいじゃない!」
こんな時までミサは僕に腕を絡ませてくる。
だが僕としては自分に抱きつかれているようで気味が悪い。
「では抱きつかなければいいでしょう?
私としては、月くんが私に甘えている光景に見えるのですが。 ベッドでもここまでは…
「それ以上言ったら女でも殴るぞ竜崎」
「大体ねー、もしライトと私だけが入れ替わったなら
無理やりにでも既成事実を作れたのに!!
「ミサ…勘弁してくれ頼むから…」

しばらくして竜崎は言った。

「これでは、夜神さん達に言っても信じてもらえないかもしれません。
元に戻るまでの間は、2人共それぞれの人物になりきってください。
そして何事も無かったように元に戻れるよう努力しましょう」

まぁ、それが理想だな…。
父が聞いたら心臓麻痺で死んでしまうかもしれないし。
かくして、僕らはそれぞれの生活習慣を捩じ曲げることになった…。


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